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柴田 猛順; 小倉 浩一
Atomic Collision Research in Japan,No. 22, 0, p.31 - 32, 1996/00
ウランのイオン・原子間の対称電荷移行では、U原子(fs(I),d,J=6)のd電子が、Uイオン(fs,I)のd電子サイトに入る。Uイオン(I)とd電子の角運動量の向きは互いにランダムなため、生成ウラン原子はJが基底状態の6、励起状態の5、4、3のいずれかである。衝突エネルギーが数10eV以下では共鳴電荷移行であるJ=6の原子が生成する反応のみが可能である。このため電荷移行断面積は4~510cmで、従来考えられていた値より非常に小さくなることをはじめて指摘した。100eV以上ではU原子のs/2電子かUイオンのd電子サイトに移行する近共鳴電荷移行も進行するため、衝突エネルギーが増すと電荷移行断面積が増大する。
柴田 猛順; 小倉 浩一
Journal of the Physical Society of Japan, 64(9), p.3136 - 3140, 1995/09
被引用回数:5 パーセンタイル:64.32(Physics, Multidisciplinary)Gd、Ndの対称電荷移行反応では、その原子構造から限られた反応経路のみが可能なことを考察し、これをもとに衝突エネルギー2eV~5keVでの電荷移行断面積を計算した。Gdでは共鳴電荷移行のみの反応しか起こらないのに対し、ネオジムでは数100eV以上の衝突エネルギーで近共鳴電荷移行も同時に起こるため、断面積が大きくなる。また測定値と比較するため、測定時のイオン・原子の準位分布を考慮し、すべての衝突組み合せについての断面積より、有効断面積も計算した。100~1000eVの衝突エネルギーで、絶対値は測定値の約2/3であるが、そのエネルギー依存性はよく一致した。
柴田 猛順; 小倉 浩一
JAERI-Research 95-025, 18 Pages, 1995/03
ウランの原子・イオン間の対称電荷移行断面積を反応経路の考察を行い計算した。電荷移行でU原子のd電子がUイオン(I)のd電子サイトに入ると、生成するU原子のJは基底状態の6、励起状態の5、4、3のいずれかである。衝突エネルギーが数10eV以下では共鳴電荷移行であるJ=6の原子が生成する反応のみが可能である。このため電荷移行断面積は4~510cmで、従来考えられていたものより非常に小さくなることをはじめて指摘した。100eV以上ではU原子のs電子が移行する近共鳴電荷移行も起こるため、衝突エネルギーが増すと電荷移行断面積が増大する。第1励起状態(289cm)のウランイオンと基底状態のウラン原子の間の電荷移行断面積も求めた。
柴田 猛順; 小倉 浩一
JAERI-Research 94-025, 20 Pages, 1994/10
ガドリニウム、ネオジムの対称電荷移行断面積の100~1000eVでの測定結果を比較すると、ネオジムの断面積はガドリニウムの断面積の約2倍で、エネルギー依存性も異なっている。ここでは測定条件でのイオンと原子の準位分布を考察し、これらのすべての衝突組合せの可能な反応経路を考えた。各反応経路の電荷移行断面積を計算し、この値と各反応経路をとる確率との積を加え合わせて電荷移行有効断面積を求めた。測定した衝突エネルギー領域で、ガドリニウムでは、共鳴電荷移行のみの反応しか起こらないのに対し、ネオジムでは近共鳴電荷移行も同時に起こるためネオジムの断面積が大きく、エネルギー依存性も異なることがわかった。また測定値と比較すると絶対値は測定値の約2/3であるがエネルギー依存性は良く一致した。